正しい姿勢ってどんな姿勢?

あなたは誰かから、

腰痛になるのは姿勢が悪いからだ、と言われたことはありませんか?

私は昔から姿勢があまり良くなかったので、腰が痛いのは姿勢が悪いからだと思っていました。

しかし、姿勢を良くしようと思っても、自分の頭の中にある知識の範囲では正しい姿勢がどういうものなのかを考えられませんでした。

せいぜい、腰が丸くなっているのを伸ばしたり、首が亀のように前に出ているのを、頭を上からつるされるように意識してみたりと、体に不自然な力を働かせることが、私にとって「姿勢を整える」という作業でした。

小学生時代は学校の先生からも怒られていました。

授業中に姿勢が悪い子は、竹製の30センチモノサシを背中に入れられて、体を曲げないように矯正されていましたが、必ず私はその中の一人でした。

冬場は冷えたモノサシが直接肌に触れるのが辛かった(^^;

そんな姿勢の矯正方法は今の教育現場ではちょっと考えられませんが・・・

とにかく、私はこれまで様々な時代で、様々に「姿勢が悪いから姿勢を正せ」と言われ続けてきたのです。

ですが、その「正しい姿勢」の定義が理解できていなかった。

まあ、今なら理屈ではわかるんですよ。

体の側面から見た骨格図でS字を描いている、あの感じですよね・・・

ですが、実際に自分の体のどの部分をどう意識すると、ああいう形の脊椎の連なりになるのかが体とイメージがまるで合致しなかったのです。

ところが、ある日、某テレビ番組を見ていたら、素晴らしい姿勢の解説をやっていたのを発見。目からうろこが落ちました。

何十年も腑に落ちなかった正しい姿勢が、いっぺんで理解することができました!!

これさえ分かれば、頭が混乱せずに正しい姿勢をあっという間に作り上げることができます。

この方法は、ちょっとした簡単なイメージを用います。

誰でも簡単に体のある部分にイメージを用いて、姿勢を整える方法です。

それを試したら、体はスッキリするし、立っているときに脊椎の置かれ方がとても自然に感じられる姿勢になるのです。

脊椎の綺麗なS字を描くために、ややこしい体感訓練などは必要ないです。

なので、覚えた瞬間から楽にいい姿勢を作り出すことができます。

マッケンジーエクササイズのマッケンジー先生も、エクササイズを毎日やったら普段は正しい姿勢で過ごすことを心がけてください、と言っていました。

腰痛持ちであれば「正しい姿勢」を覚えて、正しい姿勢で過ごすことを日々実践する必要があるのです。

今日はその「正しい姿勢」についてお話しします。

腰に負担をかけない正しい姿勢のイメージとは?

正しい姿勢を取るときに用いるイメージは、いろいろに言われていますよね。

頭のてっぺんから糸で吊るされるように
腰を反りすぎないように
胸を開いて前を見て
下腹に力が入るように
顎を引いて

などなど。。。

どれも正しいのでしょうが、体が楽にならず、その状態で体を固定するようなイメージになってしまうと、関節の稼働が抑えられて返って腰の負担になってしまいます。

とにかく、「固める」という考え方は体に良くありません。

体にいいのはその反対、「緩める」ですね!

正しい姿勢とは、腰にとって楽な姿勢です。

腰をあまり意識せず、楽に立てる姿勢

これが腰痛持ちにとって正しい姿勢になります。

その方法とは、頸椎から首にかけてだけを真っすぐに伸ばす

というイメージを用いる方法です。

頸椎(C1~C7)から下、つまり右の写真(出展:ウィキペディア)で言うと胸椎から腰椎(Th1~L5)の形状をまるで考えなくてOK。

下から言うと、頸椎のC7からC1を通り越して頭蓋骨までにかけてを真っすぐに伸ばすイメージをすればよいのです。

図で見ていただくとわかる通り、黄色の腰椎は後ろ側に湾曲しており、青色の胸椎は前側に湾曲していますが、赤色の頸椎は割かし真っすぐなのです。

これが「脊椎は横から見ると全体がS字を描いている」という状態を分解したものです。

ところが、頭でこのことが分かっていたとしても、実際に自分の体でイメージをすることは難しいですよね。

ですから、手っ取り早くイメージで整えることができるのは真っすぐな頸椎とそれに連続した頭蓋骨の部分だけなんです。

頸椎から頭蓋骨をまっすぐに伸ばすこと以外はすべて忘れてしまい、自然に任せてみましょう!!

頸椎から頭蓋骨を真っすぐに整えることだけをイメージして、あとは完全に頭の中から忘れてしまうんです。

そうすることで、自ずと体があるべきバランスを取り戻してゆく、という方法なのです。

頭蓋骨の位置に注意!

その時に一つだけ注意点があります。

頸椎C7から頭蓋骨にかけてを真っすぐにするイメージを持つときに一つだけ注意してください。

それは、

頭蓋骨を後ろに引っ張り気味にして顎を引く

ということです。

真っすぐにするイメージを持つとなると、バレリーナのように上から糸で吊るされるイメージが良いのでは、、と思う方もいるかもしれません。

でもそれは、そもそも頭蓋骨の位置のイメージに問題のない人にとっては効果的です。

頭蓋骨の位置のイメージに問題がある場合、既存のイメージを破壊するところから始めなくてはならないのです。

私たちのほとんどは、自分の体の上にのっかっている頭蓋骨の正しい位置に誤りがあります。

そもそも、頭蓋骨の重さがどのくらいあるかって、ご存知ですか?

なんと平均で6~7キロ。ボーリングの玉と同じくらいの重さがあります。

この重さのボール球を効率よく背骨で支えるには、背骨の上端には玉の中心が乗っかっていなくてはなりません。

ところが私たち人間のほとんどは頭が前に来すぎています。

たぶん、今これを読んでくれているあなたもそうですよ。

頭蓋骨の後頭部寄りに重心が来ているイメージではないでしょうか。

スマホのいじり過ぎで「スマホネック」という症状があるそうですが、それも同じ現象です。

そうなると、普段、無駄な力を使って重い頭蓋骨を支えていることになります。

ボーリング玉の重さのものを首、僧帽筋、起立筋など体全身の筋肉を使って後ろに引っ張ろうと頑張っているんです。

なるべくこれらの無駄な力を使わずに頭蓋骨支えるには、頭蓋骨の中心を下から背骨で突き上げるような位置に調整しなくてはなりません。

頭蓋骨の中心に背骨がの先端が来ればバランスが取れて力を使わずに立てるのです。

あなたの中にある姿勢のイメージを刷新するには頸椎から頭蓋骨を真っすぐに保つために、あえて頭蓋骨を後ろに引っ張るイメージを持つことが効果的なのです!!

いやぁ~、これ、かなり、姿勢の秘伝ですよ!!

われわれ普段、頭蓋骨が前の方に来てしまっている。

しつこいようですが、それを脊椎の真上に乗せようと思うと、普段の意識よりも頭蓋骨を後ろに持ってこないといけないんです。

最後に正しい姿勢を作る方法をステップで整理しておきます。

ステップ1:力を抜いて自然に立つ。
ステップ2:鳩尾から頭頂部の背面側を真っすぐに伸ばすイメージを持つ。
ステップ3:伸ばすイメージをしたら少しだけ後頭部を後ろに引っ張る。
ステップ4:後頭部が後ろに引けたら軽く顎を引く。

以上、4ステップです。

4つのストレッチで腰回りの可動域が増やせるようになった。

そうしたら、普段は体に無理のかからない正しい姿勢で過ごす。

その正しい姿勢とは、最初はちょっと後ろに倒れそうで不自然に感じる姿勢です。

 

実践してみてください!

 

ありがとうございました。

 

腰痛へっちゃら仙人