オーダー枕はありがたいけど・・

あなたは高級な「オーダーメイド枕」の購入を検討したことがありますか?

オーダーメイド枕のお店に行くと、枕ソムリエのような女性が計測器や機械を使って、頸椎の深さや肩幅などを丁寧に計測してくれます。

そして、次に枕の中に詰める中素材の選択をしたり、心地よい硬さのマット素材を選択するなど、とても繊細に配合、調合してくれます。

実際に寝心地を試して微調整を経て、約1時間くらいかけて体に合わせた枕が出来上がります。

当然、そのようにして丁寧に作り上げられた枕は寝心地が良く、とてもありがたく感じます。

オーダーメイド枕のデメリットとは

まず、私としては腰痛改善のためには「寝返りを打つ寝方」を推奨していますから、枕をお勧めするとしたら、ドーナツ型が基本になります。

後頭部がドーナツの窪みに納まり、頸椎部(首の後ろに生じる隙間)と横向きに寝たときに生じる肩と側頭部との落差に合った適度な厚みがあることが大事なのです。

つまり、部分で肉厚の違うドーナツ型枕が理想形です。

そういった意味では、オーダーメイド枕の中にはドーナツ状のものもあり、選ぶことのメリットもあると思います。

ですが、丁寧に作り上げるオーダーメイド枕ですが、デメリットもありますから注意が必要なのです。

まず第一に、高額なのに普通の枕と同様に、その寿命は短いのです。

枕の寿命はせいぜい3~6カ月と言われていますが、中詰め式の場合、高額であっても枕に使う中素材は一緒です。

中には高寿命をうたっている商品もありますが、現実的には使用とともにへたりが生じてきます・・・

オーダーメイド枕の値段は大体3万円近くしますが、中素材はそば殻、ビーズなど、それ自体そう高級なものではありません。

ですから買った時の使い心地が保てるのはせいぜい6カ月です。

中素材の寿命が短すぎるというのが、このタイプのオーダーメイド枕の最大の欠点です。

そして第二に、ウレタン形式の枕だと、フラット形状なので仰向け寝しか対応していないのです。

ウレタンにもいろいろ種類があり、硬質ウレタン、低反発など、寝心地によってチョイスができるし、耐久性にも優れています。

ですが、フラット形式のものが多く、横向き寝の場合の肩と頭の落差を部分的に解消することには対応していないのです。

素材の寿命が長く横向き寝にも優れた枕とは

柔らかい枕はとても気持ちがいいですが、耐久性を考えれば素材にはマットと同等の強度が欲しいところです。

そこで私が勧めたいのは頭が沈み込み過ぎないウレタンを使った枕です。

しかもドーナツ型が理想なのですが、理想を追求すれば、横向きになった場合の枕左右の横部分の厚みと、頸椎部分の隙間を埋める部分にあたる枕下端部分の厚みを算出する必要があります。

そこで、私たち人間の肩幅や頸椎の深さを統計値を参考に計算してみました。

まず、頭囲と首囲の寸法から頸椎の深さを算出します。

 

40歳男性平均:頭囲57.7センチメートル、首囲37.8センチメートルなので、

(頭直径57.7÷3.14-首直径37.8÷3.14)÷2=3センチが頸椎の深さになります。

 

40歳女性平均:頭囲55.1センチメートル、首囲31.8センチメートルなので、

(頭直径55.1÷3.14-首直径31.8÷3.14)÷2=4センチが頸椎の深さになります。

 

次に、肩幅と頭幅の差から横向き寝の場合の落差を算出します。

 

40歳男性平均:肩幅46.5センチメートル、頭幅16.4センチメートルなので、

(46.5-16.4)÷2=15センチが片方の起立時の落差になります。

 

40歳女性平均:肩幅41.1センチメートル、頭幅15.5センチメートルなので、

(41.1-15.5)÷2=12センチが片方の起立時の落差になります。

参考サイト:人体寸法平均

ところが、仰向けに寝た場合は頭に荷重がかかり枕が沈みます。

また、横向きに寝た場合、肩に荷重がかかりマットが沈みます。それに腕は体の真横ではなく体の前にスライドしますから、この計算結果がそのまま枕の高さになるわけではなく、若干増減しますね~。

それぞれの寝心地でチョイスしてゆく必要はありますが、仰向けの場合の枕の厚みはプラス2~3センチ、横向き寝でマイナス2~3センチしたところが自然に頭を預けられる枕の高さではないかと思われます。

ですから、仰向けの時、横向き寝の時それぞれこのような枕の厚みがあればよいのです。

仰向け寝の枕厚み

(頸椎の隙間部分)

横向き寝の枕厚み

(左右の厚み)

男性  5~6センチ  12~13センチ
女性  6~7センチ  9~10センチ

これは頭蓋骨が正円形をしているという前提なので、それぞれの頭蓋骨形状によって多少前後はします。

ですが、枕の左右と頸椎隙間部分にこの厚みがほぼほぼ確保できれば、長持ちして比較的お安い枕を選べた方が長期的にもお得になります。

こちらの枕は横向き寝を意識して枕中央の厚みが12センチ。

日本人の45%は横向き寝というデータが。横向き寝専用まくら

枕のサイズが大きく、腕を置くスペースがいいです。

ドーナツ型ではありませんが、大きなサイズで横寝を意識した形状がとてもいいです。

頭、首、肩、腕をウレタンの特殊な硬さと形状で適度な沈み込みで包み込むように支えてくれます。

しかも、買ってから頭の形や寝心地によって中素材であるウレタンの厚みを微調整ができますから、結構重宝しますよ♪

 

ありがとうございました。

 

腰痛へっちゃら仙人