
普通の人は一晩に何回寝返りを打つ?
寝返りは腰痛持ちにとって今注目されています。
ですが、寝返りは腰に良くても、睡眠の質が下がるのではないか、、という疑問があるのです。
無意識にでも寝ている間に体が動いてしまう、ということは眠りが浅く、疲れが取れにくくなっているのではないかという懸念です。
今日はその疑問について解き明かしてゆきたいと思います。
その前に、一晩で普通の人が打っている寝返りの回数についておさらいです。
NHKのガッテンで腰痛ストレッチが紹介されて以降、腰痛持ちに共通していることとして「寝返り回数が少ない」という特徴が取り上げられました。
番組中では、普通の人が一晩に20回以上、それに対して腰痛持ちの特徴としては回数が少なく、5回程度寝返りを打つということを説明していました。
まあ、NHKの調査ですから、間違ったことは言っていないと思いますが、私としては少し疑問がありました。
「一晩のうちに本当に20回以上も寝返りを打つんだろうか?」
寝返りのデータは他にないのか?
まさか自分で自分の寝返り回数を数えられないし、一晩中録画するのも再生~検証に結構手間がかかります。
女房に怪しまれるのもアレなんで、NHK以外で寝返り回数を検証したデータがないかどうかを調べてみました。
そうしたら、ありました!
20~30歳の男女合計8人の健常者を3日間にわたって寝返りの回数を調査した結果がありました。
まず、寝返りの定義として、
寝返りの判定は,睡眠中 に姿勢変換し,かつ 30̊ 以上傾きが変化した時を寝返りとし、その回数を記録
その結果、健常者の寝返りの1日平均回数は、24回±9.8回でした。
総寝返り回数は 1 日当たり 24±9.8(6―38)回 【平均値±標準偏差(最小値-最大値)】であり,1 時間当たりの寝返り回数は,3.9±1.6(1.1-6.5)回であった。
こちらの調査結果によれば、最低で6回、最高で38回で平均値は14回から34回とのことですので、ほぼほぼNHKの言っている1日20回以上という結果と近しかったのではないかな、と見ています。
私自身は元々寝返り回数が少ないので、このデータで事実を再確認した時はちょっとショックでした。
寝返りの回数と睡眠の深さには関係はないのか
ですが、寝返りを打ちすぎると、睡眠が浅くなり、睡眠感を得られないのではないか、、
良く寝たなぁ~とか、
快眠!快調!
というようなスッキリお目覚め感はないんじゃないか?と思ってしまいます。
ところが、これも同じように調査結果が出ています。
主観的睡眠感を「起床時眠気」,「入眠と睡眠維持」,「夢み」,「疲労回復」,「睡眠時間」の 5 つの 因子から評価する OSA 睡眠調査票 MA 版を用いた。
寝返り回数 と OSA 睡眠調査票 MA 版の各因子は,いずれも有意な相関を認めなかった
寝返り回数と睡眠感には相関関係がな い事が明らかになった。
つまり、寝返り回数が多くても、睡眠自体の質は下がらない、ということなんです。
寝返りを打ちすぎると、寝ている間血行が良くなり、腰には良い効果があったとしても眠りの質は低下するのではないか、という私の懸念はこのデータから払しょくされました。
心配せずに寝返り回数を増やし血行改善!
となれば、睡眠の質の低下などを心配せずに寝返り回数が増えたほうがよさそうです。
腰にとっては血行を良くすることが改善につながりますから。
寝る前にはストレッチをして体をホカホカにしてください。
そして、寝返りの打ちやすい寝具で朝まで自由な姿勢で寝てください!
ありがとうございました。
腰痛へっちゃら仙人