椎間板に新鮮な血を送り込む
それでは、3番目のストレッチ「ひざ抱え」です。
このストレッチでは仰向けで寝た状態から両膝を抱え込み、両太ももと両膝を出来る限り胸までつくようにして丸くなります。
この状態のまま6回深呼吸を行います。
これは私の通う治療院でも指導されてきたもっともポピュラーな腰痛ストレッチですね。
私の先生の専門分野はカイロプラクティックですが、腰椎の位置を正しく戻して椎間板の回復ができるような状態にすることを施術の目的としています。
椎骨と椎骨との間でクッションの役割をするのが椎間板です。
椎間板は日常では正しい姿勢=脊椎が正しい位置にあることと、睡眠をとることとで回復するそうなのです。
椎間板のヘルニアになってしまい、髄核と呼ばれる中身が飛び出てしまうほどに変形した場合は回復ができないのですが、、、
疲弊して薄くなっている椎間板なら、血行を良くして良く休めることで回復が期待できるということ。
腰椎の椎間板にじんわりと血流を促してゆくのがこのひざ抱えストレッチになります。
脊柱起立筋は力の抜きにくい筋肉
脊柱起立筋も背中の広範にわたって繋がっている筋肉で二足歩行をする人間にとっては酷使せざるを得ない筋肉です。
大殿筋と一緒ですが脊柱起立筋もいつでも柔らかく使えるようにメンテナンスをすることが大事な部分ですね。
よくくしゃみをするとギックリ腰になるといいますが、くしゃみとは瞬発的に体全身にエネルギーのかかる運動なんです。
すると、骨盤に近く動きが悪くて固くなった脊柱起立筋下部に負担が集中して、炎症が起きてしまうわけです。
筋肉を太くして鍛えるという意識ではなく、柔らかさを求めてメンテナンスをするように心がけたいです。
大殿筋の後ろの部分が延ばされ、力を抜いて深呼吸をすると脊椎起立筋の腰椎部分から背中にかけてまで広い範囲で伸長感覚があります。
とはいえ、このストレッチは有名で形をとるのは簡単ながら、実際に効果が出るように行うのは難しいと思います。
なぜなら脱力ができにくいからです。
お話ししたように、脊柱起立筋は緊張しやすく、力の抜きにくい筋肉だと思います。
日常生活では立っているときのみならず、座っている状態においても常に緊張していますから。
全身の中でも力を抜くという習慣が最も少ない筋肉なんです。
ですから深呼吸を6回行う間に、意識的に腰椎の周りの筋肉の「力が抜ける~~」とイメージすると効果があります。
かなり個人差のある「イメージ」を用いる話になってしまいますが、そのくらいしないと力の抜きにくい箇所だと思います。
もし力を抜くことがうまくいくと、腰椎がバラバラになり、膝を抱えた体勢のまま体が床に沈んでゆくような感覚になりますよ~